第67回関西教育社会学研究会の報告

 第67回関西教育社会学研究会は、2001年1月27日(土)、京都大学で行われた。報告者は、冠野文氏(大阪大学)と渋谷真樹氏(奈良教育大学)であった。

 冠野氏の「設置基準大綱化以降の学士課程カリキュラム:国立大学における教養部の解体を中心に」と題する報告では、共通・教養教育に関する教員調査データの分析を通して、教員間での経験と授業分担の偏りおよびそれに伴う意識のズレに着目しながら、教養部解体を経た今後の共通・教養教育の担われ方について考察された。報告の後、元教養部所属教員が存在する過渡期の問題、教員自身の意識よりも学生側の評価や社会的要請が先行する教養教育改革の主体性の問題、調査の設計や分析が暗に想定するシナリオと自ずと導かれる利用法の問題、などの論点について議論がなされた。

 渋谷氏の「アメラジアン・スクールの実践からみる日本の公教育」と題する報告では、米軍勤務の父と沖縄人の母をもつアメラジアン(AmerAsian)のための学校に関する調査と同種の学校の日韓比較を通して、そこでの教育実践の戦略的位置づけと、そこから逆照射される日本の公教育の現状と課題について考察された。報告の後、沖縄内部に存する重層的な対立軸の問題、日本の公教育を問題化する際の沖縄の特殊地域性の問題、媒介項としての琉球文化の問題、多文化状況にアプローチするための理論的戦略の問題、などの論点について議論がなされた。

(関西教育社会学研究会事務局)

 
 

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