第70回関西教育社会学研究会の報告

 第70回関西教育社会学研究会は、2002年7月27日(土)、京都大学で行われた。報告者は、今田絵里香氏(京都大学大学院)と木村涼子氏(大阪女子大学)であった。

 今田氏の「「少年」から「少年」・「少女」へ」と題する報告では、明治期の子ども向け雑誌『頴才新誌』がジェンダーの視点から分析され、もともと男女双方の子どもを指す言葉であった「少年」というカテゴリーから、「少年」とも「妻」「母」とも異なる特別で価値の高い存在としての「少女」カテゴリーが分離してゆくプロセスについて、メリト・イデオロギーとの関わりを中心に論じられた。報告の後、「少年」「少女」カテゴリーの分離が純粋に『頴才新誌』の言説内部で生じたのかどうか、投稿者の実年齢の問題、ロマンティックラブ・イデオロギーとの関わりについて、等の論点について議論がなされた。

 木村氏の「近代日本における女性向け大衆小説をめぐって」と題する報告では、1920-30年代に活躍した代表的な女性向け大衆小説作家(菊池寛、吉屋信子、加藤武雄、etc.)の作品を中心に、共通するストーリー・パターンやメディア・ミックス効果、テキストのもたらす種々の欲望(貞操、母性愛、美しさ、「良人」、豊かさ、etc.)について紹介がなされた。報告の後、作家の経歴(出身階層・族籍・学歴etc.)と作品との関連、明治時代の戯作やプロレタリア文学との繋がり、等の論点について議論がなされた。

                        (関西教育社会学研究会事務局)
 

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