アクターネットワーク理論と社会学研究会のお知らせ

投稿日:2018年09月18日 カテゴリー:イベント情報  投稿者:学会事務局

アクターネットワーク理論と社会学研究会
・日時:2018年10月13日(土)13:00~17:00ご
・会場:早稲田大学戸山キャンパス:39号館 5階 第5会議室
キャンパスマップ:
https://www.waseda.jp/top/assets/uploads/2016/10/20161020toyama_campus_map.pdf
・協賛:科学・技術と社会の会

1)13:00~15:00ごろ
「経済現象における金融理論の遂行性」
話題提供者:金 信行 氏(東京大学大学院)

概要:本報告の目的は、経済社会学の新たな理論的潮流である遂行
(performativity)アプローチに関して、その代表的論者の1人であるドナル
ド・マッケンジー(Donald MacKenzie)の議論に注目してその内容を明確化する
ことにある。アクターネットワーク理論の影響を受けて経済現象の成立において
学知や計算装置といったモノ(thing)が果たす役割に着目する遂行性アプロー
チは、経済現象における社会関係の役割の重要性を説いた「新しい経済社会学」
以降の重要な分析視角であるにもかかわらず、十分に検討がなされてきたとはい
えない。本報告では、①まず遂行性アプローチに関わる研究動向を概観し、②マッ
ケンジーによる金融理論の遂行性の事例分析を題材として遂行性アプローチの説
明様式を明確化した上で、③類似の説明様式との比較によって遂行性アプローチ
の独自性を検討する(本報告は今年度に予定されている第91回日本社会学会大会
での報告内容をベースに加筆修正を加えたものとなる予定である)

コメンテータ:岡本 紀明 氏(立教大学)

マッケンジー『金融市場の社会学』の訳者であり、会計学がご専門の岡本紀明氏
よりコメントをいただきます。エジンバラ大学での在外研究中にマッケンジーと
実際に話して感じた点や、マッケンジー自身や金融社会論の最近の研究動向など
を含めてお話しいただく予定です。

文献
MacKenzie, D.A., 2009. Material markets : how economic agents are
constructed. Oxford University Press.
(邦訳:岡本紀明訳, 2013. 『金融市場の社会学』. 流通経済大学出版会.)

MacKenzie, D.A., 2008. An engine, not a camera : how financial models
shape markets. The MIT Press.

※ご参加予定の方は、できるだけ事前に上掲書をお読みの上、ご参加ください。

2)15:00~17:00ごろ
「ラトゥールの”宗教の発話行為の適切性条件”は何を問題にしているのか」
話題提供者:小川 湧司 氏(一橋大学大学院)

概要:本発表では、ラトゥールの2002年の著作Jubiler ou les difficultes de
l’enonciation religieuse (英訳:Rejoicing, or the Torments of Religious
Speech (2013) )、および2005年のエッセイ” 'Thou Shall Not Freeze-Frame’
or How Not to Misunderstand the Science and Religion Debate”などに見受け
られるラトゥールの宗教理解の方法を検討する。これらの文献にてラトゥールが
問題にしたのは、宗教の発話レジームと科学の発話レジームは全く異なってお
り、それらを取り違えることによって「宗教と科学」という論争軸が生まれると
いう点であり(この点については The Making of the Law (2010) 第5章にて、
法と科学の取り違えについて議論されているのと同様の展開)、これらの複数の
発話レジームにおける発話行為の適切性(felicity)の条件をそれぞれ比較するこ
とが彼の現在の研究課題となっている。本報告では、(1)ラトゥールの宗教理解
を複数の文献から概観し、(2)An Inquiry into the Modes of Existence (2013)
において打ち出されるラトゥールの比較研究と多元主義(Pluralism)の前提を検
討する。(3)その上でラトゥールの理解するところの"宗教の発話行為の適切性条
件”は人類学の儀礼論における発話行為論とどのように異なっているのか提示
し、彼はなぜ従来の発話行為論と異なる立場を取らなければならないのかという
点をその多元主義から検討し、それによって我々はどのような利益を得ることが
できるか、逆にどのようなことが説明できなくなるのかを議論する

コメンテータ:荒金 直人 氏(慶應義塾大学)

ラトゥール『近代の〈物神事実〉崇拝について : ならびに「聖像衝突」』の訳者
であり、現代フランス思想がご専門の荒金直人氏よりコメントをいただきます。

文献
Latour, Bruno. 2010. “ 'Thou Shall Not Freeze-Frame’ or How Not to
Misunderstand the Science and Religion Debate.” In On the Modern Cult of
Factish Gods. Duke UP: Durham. Chapter 3.

Latour, Bruno. 2013 [2002]. Rejoicing, or the Torments of Religious
Speech. Julie Rose (Trans.), Polity: Cambridge.

Latour, Bruno. 2013 [2012]. An Inquiry into Modes of Existence: An
Anthropology of the Moderns. Harvard UP: Cambridge; Mass.

Latour, Bruno(荒金直人訳), 2017. 『近代の〈物神事実〉崇拝について : な
らびに「聖像衝突」』以文社.(→Latour, B., 2009. Sur le culte moderne des
dieux faitiches : suivi de Iconoclash. La Decouverte.の邦訳)

★準備の都合上、参加予定の方はできるだけ事前にご連絡ください。また、今回
は参加できない場合でも、ご連絡いただければ次回以降の開催予定等を共有させ
ていただきます。

連絡先:y_ttis@yahoo.co.jp (立石 裕二、関西学院大学)