「2000年度(平成12年度)データベース計画調書」より抜粋
4 作成組織の名称:日本社会学会 データベース委員会
7 データベースの名称:
日本語名: 社会学文献情報データベース
英語名: Bibliography of Japanese Sociological Database (略称:BJS)
8 データベースの対象分野:社会学
9 データベースの種類: 抄録書誌情報データベース
11 データベースの概要
明治期以降,日本人研究者が発表した,あるいは日本国内で刊行された社会学関連の文献(著書・訳書・論文・調査報告書;マルチメディア資料を含む)を採録する。著者名、刊行年、標題名、掲載誌名、巻・号、ページ、キーワード、分類番号などの書誌情報を収録したもので、日本語(漢字・カナ)および英語(可能な項目のみ)によるデータベースである。データは,日本社会学会機関誌『社会学評論』掲載の各年度の文献目録,および日本社会学会および関連学会(現在は日本家族社会学会のみ)会員への文献調査回答による情報を基礎にし、日本社会学会がこれまで作成した文献目録の情報を、追加する。
17 作成の工程と所用経費の関係
既発生データは、(a)『社会学評論』掲載の文献目録、(b)「外国語文献目録」(BJSLFL)、(c)および社会学関連学会が個別に作成した下位領域別文献目録、を作成のベースとし、これら印刷された文献目録、または(d)学会の機関誌自体、から直接入力する。新規発生データは、会員への文献調査回答用紙から直接入力する。作業は、(1)文献調査と回答用紙の整理[新規発生データのみ]、(2)既入力データと文献目録との重複チェック・重複データへの補足情報入力[既存文献目録データのみ](3)人名読みなどを付与、(4)入力、(5)入力データの校正(機械的チェックおよび内容チェック)、(6)修正、(7)確認と既存の公開データへの追加、という手順である。(1)は文献調査用紙・封筒の印刷費、謝金に相当し、(2)(5)(7)は謝金、消耗品費の複写費、(3)(4)(6)は入力委託費に相当する。データの質を向上させるため、修正・脱落項目の補足には、既存の各種データベースの情報も援用する。
25 Web上で公開している場合のURL
http://jinbun1.hmt.toyama-u.ac.jp/socio/jss/
http://sociodb.rikkyo.ac.jp/
26 作成の意義等
(1)学術研究上の意義(全国の関係研究者からの期待・要請を含め)
データベース化による文献情報の公開については、かねてより国内および海外の社会学研究者より強い要望がある。社会学分野の文献の特徴として、国内においても戦前からの長い伝統を持ち、現代も研究に参照されている。また、日本社会学会が蓄積してきた文献目録のうち約40%が最近10年以内と新しく、近年の比重が高い。これは近年社会学の研究者および研究成果が急増したためである。これら両方の特徴により、データベース化による検索の必要性は非常に高い。現時点(1999年11月時点)で公開されているデータは、1979年~1998年の文献のみでありほとんど日本語文献に限られているが、会員内外に非常に好評であり、外国語文献・過去の遡及データおよび未収録データの追加収録の要望も多く寄せられている。データベースの充実により、収録された文献が今後の研究で広く活用され、より高度の成果に結びつく効果も大きいであろう。また学生院生の教育的資料としての効果も期待されている。
海外の研究者からも日本社会に関する情報のニーズや社会学の研究成果への関心が強い。しかし、文献2次情報の入手がネックになり、現在海外から容易に利用できる研究成果は、本データベースを除いては、ごく一部に限られている。本データベースは日本における研究成果の文献情報を網羅的にかつ英文でも提供することにより、そうしたニーズにも十分応えるものである。
社会学は、経済学・法学・政治学・人文地理学・社会哲学などの、他の社会科学分野と非常に近い対象・領域を研究している場合も多い。そうした分野の研究者にとっても社会学の文献目録は利用価値が高く、また学際的な研究を生み出すための基盤ともなる。また社会学関連領域には、社会統計学や医療社会学などのように、自然科学系の領域の研究者にも役立つ成果を生む分野もいくつかある。さらに、このデータベース自身が研究対象として科学社会学などの2次データとなり、日本における研究活動を分析する貴重な資料ともなる。
(2)我が国が独自にこのデータベースを作成する理由
1)現在、海外の社会学あるいは社会科学のデータベースはSociological Abstractsなど数種類あるが、日本における社会学文献を網羅的に収集・公開しているものはない。またそれらには日本の学術雑誌のごく一部は収録されているが、2)遡及入力はいずれも受け付けていないこと、3)日本語(漢字・カナ)部分の入力がなされないこと、など新規発生データに限っても問題がある。日本社会学会は、British Libraryに対して毎年文献情報を提供し、そこが編集・刊行している、'International Bibliography of Sociology' (毎年刊)に収録されている。しかし量的に国内の研究成果のごく一部であることを含め、このデータベースにも上記の問題がある。各国の社会学研究者の数を学会会員数で比較すると日本はアメリカについで世界第2位と多く、今後とも日本独自でデータベースを作成・充実させ、国内外へ積極的に情報発信していく必要がある。
(3)申請者が作成にあたる理由
日本社会学会は、日本の社会学研究者をほぼ網羅する唯一の組織であり、毎年会員への文献調査を行い、「社会学文献目録」を作成してきた。さらに、国際社会学会(ISA)の開催に合せて、『欧文文献目録』(BJSLWL)を1982年に刊行し、以降4年ごとに以前の版に増補する形で累積版の目録を作成してきた(1998年からは『外国語文献目録』(BJSLFL)と改称)。国内の社会学全般にわたる文献情報を継続的かつ網羅的に収集している組織は、日本社会学会が唯一である。社会学は下位領域間の関連が強く、下位領域別に文献データベースが併存してもデータの重複が多いので、作成も利用も非効率になりがちである。そこで日本社会学会に情報を提供し、一括して入力・公開するという組織構成をとる。この方針は日本学術会議社会学研連および社会学関連学会の賛同・支持も得ている。
27 現在までの経緯と今後の見通し(学術情報センターを中心とする全国大学間の学術情報システムでの利用可能性を含め)
日本社会学会には、1924年の発足以来70年以上にわたる、会員による研究成果の蓄積がある。学会和文機関紙『社会学評論』には1950年の創刊以来、1945~1997年刊行の計約50,000件の文献目録が、また最新の『外国語文献目録』(BJSLFL)1998年版には約1,800件の累積文献目録が掲載されている。日本社会学会は他にもいくつかの文献目録を過去に作成している。日本社会学会では、長年にわたり『社会学評論』編集委員会を中心に、社会学の文献目録の編集と検討が進められてきた。1993年にデータベース小委員会が、またこれを土台に1995年からデータベース委員会が組織され、文献目録のデータベース化について、具体的に検討するとともに作業を進めてきた。検討経過は日本学術会議社会学研連で報告され、関連学会からも賛同を得ている。
データベース作成仕様の検討に当たっては、学術情報センターで採用しているデータベースの標準仕様を参考にし、学術情報センターの情報検索サービスを通じたデータベース公開について、担当者と打ち合わせを行ってきた。1997年度から科学研究費研究成果公開促進費<データベース>の助成を受け、家族社会学会からも毎年データの提供を受けて、データベース作成作業を開始した。
1998年10月からは検索サービスを一般公開し、学術情報センターのNACSIS-IR、および2ヶ所(富山サイト、立教サイト)のWWW サーバーを通じて広く利用できる。著者からのデータ校正や追加登録情報の受付を行い、データの質・量の両面で向上を図っている。このほか、日本社会学会の機関誌(和文誌『社会学評論』、および欧文誌 International Journal of Japanese Sociology)の目次情報については、学術情報センターの「学術雑誌目次速報データベース」に登録し、逐次新刊情報を追加しつつ公開している。
2000年度には、新規の1999年文献とともに、1979-1998年文献補充調査による文献、『外国語文献目録』にもとづく文献を入力予定である。当初の計画であった戦後文献については、これでひとまず終了するが、内外からの期待に応えて計画を2003年度に延長し、収録範囲を戦前の文献にも拡大するとともに、既収録データについても、収録漏れデータの補充、重複レコードの統合と未収録項目の付与など、質量両面で充実を目指す予定である。
29 完成予想年度
2003年度(平成15年度) (毎年の新規発生データについては、以降も継続収録)
30 現在までの公開状況及び今後の公開予定状況
1998年7月に委員会直轄のWWWサーバー2ヶ所を立ち上げ、試験公開と訂正受付けを始めた。同年10月より学術情報センターおよび上記2ヶ所のサーバーで正式公開を始めた。現時点(1999年11月時点)では1979年~1998年の文献情報を公開しており、国内はもとより海外からも広く利用できる。今後も、遡及データおよび新規発生データを追加しつつ、これら複数箇所でのサービスを恒常的に継続予定である。