朝日出版社の買収をめぐる事態の早期正常化を要望する
日本イスパニヤ学会は、スペイン語圏の言語・文学・思想など、広く社会文化一般を対象とする研究者の集まりです。また、会員の多くはスペイン語教育に直接・間接の関わりを持っています。
本年10月の新聞・雑誌の報道により、朝日出版社の買収をめぐり、尋常ならざる事態が生じていることが周知となりました。この事態に対し、日本イスパニヤ学会理事会は強い懸念と深い憂慮を表明し、関係者に対し、事態の早期正常化を要望するものです。
朝日出版社は、そのすぐれた教科書・教材を通じて、日本の高校・大学におけるスペイン語教育に大きく貢献してきました。毎年、数万人もの学生が、朝日出版社の教科書・教材を使ってスペイン語を学んでいます。これは一朝一夕になされたのではなく、文化事業としての出版の意義を深く理解した上で、朝日出版社が長年にわたり真摯に言語教育に向き合ってきた結果です。
日本イスパニヤ学会理事会は、朝日出版社によるスペイン語教科書教材出版事業が今後も正常に営まれ、発展し続けることが、日本の若者の異文化理解能力伸長やマインドセットの国際化に大きく寄与することを確信しています。
関係者には、企業の社会的責任という観点から事態の早期正常化を図っていただくよう、重ねて要望いたします。
2024年11月23日
日本イスパニヤ学会理事会
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