第53回 日本比較教育学会 The 53rd annual conference of the Japan comparative education society (JACE).

大会日程

大会日程 :2017年6月23日(金)~6月25日(日)


公開シンポジウム

比較教育学会 第53回大会 公開シンポジウム
2017年6月24日(土) 14時45分-17時20分
東京大学本郷キャンパス 安田講堂

教育モデルが国境を越える時代を俯瞰する
―比較教育学の原点にもどる―


日本比較教育学会・東京大学教育学部附属学校教育高度化・効果検証センター 共催

(同時通訳有り)


プログラム(PDFファイル)
登壇者のプロフィール(PDFファイル)

同時通訳機材(レシーバー・イヤホン)貸出事前申込(学会員で大会に参加される方)
Translation Equipment Booking Form for the Symposium

プログラム
14時45分―14時55分
開会の挨拶・趣旨説明
  恒吉僚子(東京大学大学院教育学研究科・教授)(司会)

14時55分―15時20分
フィンランドの教育モデル
  Riitta Vänskä (Board Member at Invalidisäätiö, Program Manager, Education Export Finland)

15時20分―15時45分
シンガポールの教育モデル
  Goh Chor Boon (Associate Dean, National Institute of Education, Singapore)

15時45分―16時10分
日本の教育モデル
  佐藤学(学習院大学文学部・教授)

16時10分―16時25分
休憩

16時25分―16時35分
討論者 丸山英樹(上智大学グローバル教育センター・准教授)

16時35分―17時20分
全体議論

論点
 モデル借用自体は比較教育学が古くから関心を寄せてきたテーマである。植民地支配の形で強制的性格を持つものも含め、歴史的にも世界中で見られる現象である。だが、我々の時代の教育的意味での特徴は、様々な教育モデルが国民国家の枠を越えて今まで以上に容易にグローバルに拡散してゆくことであろう。PISA, TIMSSなどの国際学力テストにおいて「成功例」だとされる国々の教育モデからの示唆を諸外国が求め、そうした、ある国やある文化的文脈で生まれた教育モデルがたやすくインターネット等で拡散し、ビジネスとして成立してゆく。
 こうした時代状況を、我々はどのように理解し、対応すべきなのであろうか?ある国から生まれたモデルが、グローバル化、あるいは、かつてない規模で他国に移植される中で、何が起き、どのようなメカニズムが働いているのか。モデル借用は比較教育学の対象テーマで長くあり続けてきたが、そこからどのような知見が得られ、新しいグローバルビジネス時代の教育モデル借用に対して何が提示できるのか。こうした問いをフィンランド、シンガポール、日本のいずれも世界的に関心を持たれている教育モデルの具体例を通して考える。

発表者
Riitta Vanska

エデュケーション・エクスポート・フィンランド プロジェクトマネージャー

20年以上に渡り、国際教育プロジェクトに携わる。数多くの成功を収めた世界的なデジタル教育プロジェクトの創始者であり、プロモーターである。情報管理と通信教育(遠隔教育)が専門。2009年~2012年には、多くのアフリカ諸国において、初等中等教育学習者のためのモバイル学習の開発・導入に従事。最近では、政府資金によるプロジェクトやエデュケーション・エクスポート・フィンランドにおいて、教育輸出に関連するフィンランドの企業や機関を支援している。

Goh Chor Boon

NIEインターナショナル所長・副学部長

シンガポール国立教育研究所(NIE)の教育コンサルタント部門であるNIEインターナショナル所長・副学部長。ロンドン大学学士(優等学位)、オレゴン大学修士、ニューサウスウェールズ大学博士。1976年より教育の分野に携わる。約10年間、シンガポールの学校で教師を務めた後、1985年、NIEの教師指導者に。教育省(MOE)とNIEの多くの政策決定審議会委員を務める。現在は、NIEインターナショナルが行なう国の教育システム、教師教育、学校長などへのリーダーシップトレーニングに関する診断的研究のコンサルタント業務のプロジェクト責任者も兼務されている。著書にToward a Better Future: Education and Training for Economic Development in Singapore since 1965 (Washington D.C. :World Bank Publication,2008)、共著Technology and Entrepot Colonialism in Singapore, 1819-1940 (Singapore :Institute of Southeast Asia Studies, 2013)、From Traders to Innovators :Science and Technology in Singapore since 1965 (Singapore: Institute of Southeast Asia Studies, 2016)など。

佐藤学

学習院大学文学部教授
東京大学名誉教授

学習院大学文学部教授・東京大学名誉教授。教育学博士(東京大学)。東京大学大学院教育学研究科長(2004年―2006年)。エル・コレヒオ・デ・メヒコ招聘教授(2001年)、ハーバード大学客員教授(2002年)、ニューヨーク大学客員教授(2002年)、ベルリン自由大学招聘教授(2006年)。全米教育アカデミー(NAE)会員。日本学術会議第一部(人文社会科学)前部長。日本教育学会元会長。アメリカ教育学会(AERA)名誉会員。アジア出版大賞(APA)ノンフィクション部門大賞次賞(2012年)。学びの共同体の改革を提唱し、国内のみならず、世界各国で学校改革を支援してきた。主要な著書が、中国語、韓国語、台湾語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、インドネシア語、ベトナム語、タイ語に翻訳されて出版されている。主な著書は、『米国カリキュラム改造史研究』 東京大学出版会 1990年、『教育方法学』 岩波書店 1996年、『カリキュラムの批評―公共性の再構築へ』 世織書房 1996年、『教師というアポリア―反省的実践へ』 世織書房 1997年、『学びの快楽―ダイアローグへ』 世織書房 1999年、『学校の挑戦―学びの共同体の創造』小学館 2005年、『教師花伝書―専門家として成長するために』小学館 2008年、『学校改革の哲学』東京大学出版会 2012年、 『学校を改革する―学びの共同体の構想と実践』岩波書店 2012年他、多数。
https://naeducation.org/our-members/manabu-sato/

討論者
丸山英樹

上智大学グローバル教育センター 准教授
文部科学省国立教育政策研究所 フェロー

広島大学大学院国際協力研究科博士課程修了。博士(教育学)。上智大学グローバル教育センター准教授。専門は比較教育学、教育社会学、国際教育協力論。青年海外協力隊(理数科教師)を経験した後、文部科学省国立教育政策研究所(NIER)国際研究・協力部総括研究官を経て、現職。その間、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)の実施、UNESCOアジア太平洋地域教育開発計画(APEID)及び持続可能な開発のための教育(ESD)事業の他、国際教育機構(JICA)基礎教育分野専門委員や識字・ノンフォーマル教育・オルタナティヴ教育事業の指導に従事。持続可能な社会構築に向けた多様な教育の機能を、ノンフォーマル教育概念を用いて分析する。近年は欧州における移民の社会統合と生涯学習、先進国と途上国間の相互学習、人工知能時代における学習を研究対象としている。著書に『ノンフォーマル教育の可能性――リアルな生活に根ざす教育へ』(2013年、新評論、共編著)、『グローバル時代の市民形成(2016年、岩波書店、共著)』、『トランスナショナル移民のノンフォーマル教育(2016年、明石書店、単著)』等。
http://researchmap.jp/hidekimaruyama/

司会者
恒吉僚子

東京大学大学院教育学研究科教授
東京大学教育学部附属中等教育学校校長

東京大学大学院教育学研究科教授。東京大学教育学部附属中等教育学校校長(2015-2017)。前東京大学教育学研究科学校教育高度化センター・センター長(2013-2015)(現在は、学校教育高度化・効果検証センターに改組)。プリンストン大学大学院社会学博士(Ph.D.)。総合文化研究科准教授を経て現職。教育の比較研究、社会学、比較教育学。学校での社会化過程の国際比較、多文化共生に向けた教育、国際比較を通しての「日本型」の教育の考察等のテーマに取り組んできた。第9期中央教育審議会委員、日本学術会議第一部会前幹事,異文化間教育学会常任理事・紀要編集委員長。主著書に『人間形成の日米比較―かくれたカリキュラム』(中央公論社、1992)、The Japanese Model of Schooling: Comparisons with the United States, New York: RoutledgeFalmer, 2001,『子どもたちの三つの「危機」—国際比較から見る日本の模索』(勁草書房、2008年), Minorities and Education in Multicultural Japan: An Interactive Perspective, coedited. New York: Routledge, 2010 等。
http://www.p.u-tokyo.ac.jp/~tsunelab/
http://www.p.u-tokyo.ac.jp/~tsunelab/tokkatsu/  (tokkatsu のHP)


課題研究

課題研究Ⅰでは「グローバル化時代における大学の国際比較―世界大学ランキングを越えて―」というテーマを設定し、課題研究Ⅱでは研究委員会によって「グローバル化時代における教育を考える(Ⅱ)―才能教育の視点から―」が企画されています。


大会会場

大会会場は、東京大学 本郷キャンパス(東京都文京区本郷7-3-1)となります。部会等の会場は、以下の通りです。

1 会場一覧
理事会等教育学部棟1
研究発表・ラウンドテーブル・課題研究法文1号館2
公開シンポジウム安田講堂3
情報交換会中央食堂4

会場までのアクセス

○東京駅から
 東京メトロ丸ノ内線「本郷三丁目駅」下車

○羽田空港から(この他の経路も可能ですので、それぞれご確認ください。)
 東京モノレール「浜松町駅」→JR山手線「東京駅」→東京メトロ丸ノ内線「本郷三丁目駅」下車

   *キャンパス内での会場へのアクセスは、以下の東京大学のホームページからご確認ください。
    http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/map01_02_j.html


昼食について

昼食は、大会開催期間中も中央食堂が営業する予定(営業時間:11:00~14:00)ですので、とくにお弁当の準備はいたしませんことをご了承ください。


宿泊について

宿泊は各自でご予約ください。


託児について

授乳室およびお子様連れの会員のための共同のスペースを設ける予定です(但し、教室の確保が難しい場合は、そうしたスペースを設けることができない可能性があることをご理解ください)。なお、大会事務局では託児サービスを行いませんので、お子様連れの場合は個々でご対応をお願いいたします。