大学入試センター試験へのスペイン語の導入について

平成24年7月20日
日本イスパニヤ学会
(会長・代表理事 野谷文昭)

 去る7月12日、在京のスペイン語圏19ヵ国の大使が平野博文文部科学大臣に対し、大学入試センター試験の「外国語」における選択言語のひとつにスペイン語を導入することを望む書面を提出しました。本学会はこの要請を支持いたします。

 スペイン語話者数の多さ、スペイン語を用いる国・地域の広さ、および現代世界におけるコミュニケーション言語としてのスペイン語の重要性については上記要請書の指摘する通りであり、日本でも現在以上に多くの高校生、大学生がスペイン語を学ぶ必要があること、したがって教育機関、行政が彼らにスペイン語学習の十分な機会を提供しなければならないことは論を俟ちません。

 加えて、十分とは言えないまでもかなりの数の高校生が現在すでにスペイン語を学んでいるという事実にも目を向ける必要があります。高等学校で開設されている英語以外の外国語科目は、学校数の順に1位が中国語、2位が朝鮮・韓国語、3位がフランス語、4位がドイツ語、5位がスペイン語であり、大学入試センター試験においては4位以上の外国語はすべて選択科目として用意されています。ところが、スペイン語を開設している高等学校数はドイツ語のそれに迫るものである(2007年度においてドイツ語157校、スペイン語135校)にもかかわらず、センター試験においてスペイン語を選択することはできないのが現状です。これが高校生のスペイン語学習意欲を阻む原因となっている可能性は否定できません。

 以上の理由から、本学会はこの度の要請に賛同し、大学入試センター試験へのスペイン語導入について積極的に検討していただけるよう、文部科学省をはじめとする関係各機関に強く要望する次第です。