文部科学省への要望書

 先ごろ、学会より文部科学省に対して以下の要望書を提出しました。

学術研究推進のための財政的支援の重要性について

平成21年12月7日
日本イスパニヤ学会

  行政刷新会議の「事業仕分け」によって、学術関連予算の多くの費目が縮減や延期という評価を下されています。スペイン及びラテンアメリカを中心とするイスパニア語圏の文化(言語,文学・思想,歴史,美術・建築・音楽,政治・経済など)の研究教育者で構成されている日本イスパニヤ学会は、このような学術研究推進のための予算が縮減される事態を大いに憂慮し、日本学術会議のウェブページに掲載された日本学術会議会長の『わが国の学術研究推進の重要性についての会長談話』で表明された基本的な立場を支持します。

  特に、第3WGにおいては,「競争的資金(若手研究育成)」が仕分けの対象となり,①科学技術振興調整費(若手研究者養成システム改革)」、②科学研究費補助金(若手研究(S)(A)(B)、特別研究員奨励費,③特別研究員事業の3つの競争的資金に関し、「予算要求の縮減」という厳しい評価が下されました。

  人文科学・社会科学の分野においては、学術研究の成果はすぐに表れるものではなく、若手への研究支援は将来への投資ともいえるものです。若手研究者に対する研究支援予算の縮減によって次世代を担う研究者が育たなくなれば、学術研究のみならず、わが国とスペイン、ラテンアメリカ諸国との相互文化理解、国際交流に大きな損失を招くであろうことは明らかです。是非とも中・長期的視野に立った学術研究推進のための財政的な支援がより一層強化されることを強く要望します。