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設立目的

 環太平洋圏(日・米・加・豪・中国・東南アジア)の経済発展は近年目覚ましく、特に日本とNIESの経済成長は、今や世界経済活性化のダイナモとしての役割を果たしつつある。この意味で21世紀は環太平洋の時代であると言っても過言ではない。また圏内諸国間の依存性は急速に高まっており、相互協力への要請は緊急な課題となっている。
 一方、経済・社会分析の手法も日進月歩しているが、特に近年ハイテクを中心とする目覚ましい科学技術の発展は、科学技術と経済の統合化を目的とする産業連関分析ないしは投入産出分析(Input-Output Analysis)への国際的要請をいよいよ高めつつある。
 産業連関分析は言うまでもなくノーベル賞授賞者ワシリー・レオンチェフ教授の創始になり、すでに半世紀の歴史を経た。レオンチェフ教授はわが国の学界及び政府・産業界とは特に関係が深く、このため昭和60年に日本政府から特別叙勲の栄誉に浴したことは、われわれの記憶にも新しい。わが国のみならず世界各国において、今日学界、政府、産業界における産業連関分析の利用は一段と高まっており、国際的な利用も極めて活発化している。
 最近における産業連関分析の関心の中心は、各種の技術革新が生産コストの引下げに与える影響、国内及び国際的な製品市場の変化の予測、貿易と国際競争力の要因の分析、産業別の生産と雇用の長期的な構造変化と成長能力の分析、財畜と投資の産業別配分に関する研究、国際的な相互依存関係の研究等極めて多岐にわたっており、政府の経済計画にとっても不可欠の情報を提供している。
 このように年々高まる産業連関分析への国際的な産・学・官の要請に応えるため、環太平洋圏の科学技術者と経済学者および企業・政府のテクノクラートの対話の場として、新しい学会を創設することとなり、レオンチェフ教授の指導のもと国際間で相互に交流を深めた学識経験者を中心として学会の結成を実現したものである。

1989年4月1日

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