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会長挨拶

大塚 豊

日本比較教育学会 会長 大塚 豊

さる6月末に開催された第48回大会は、実行委員長の竹熊尚夫常任理事をはじめ実行委員会各位のご尽力の結果、成功裏に終えることができました。開催校の九州大学の会員各位は言うに及ばず、近隣諸大学の会員諸氏も本大会開催のために大いにご協力を頂いたとお聞きしています。まず、大会準備に関わられた全ての方々に心からの感謝を申し上げたいと思います。

九州大学での大会開催は2002年の第37回大会以来、10年ぶりでした。昨年の早稲田大学での第47回大会の懇親会での挨拶の中で、私はわが国における比較教育学の創始者として中島半次郎に言及し、早稲田はこの学問の発祥の地であると申しました。学問の制度化にはいくつかのメルクマールがあります。中島により1916年という欧米諸国に勝るとも劣らない早い時期に、「比較研究」を冠する教科書ないし単著が生み出されたのは、その一つです。その他のメルクマールとしては相当数の専門家が生まれ、学会が成立し、大学に関連講座や学科が設けられるといったことがあるでしょう。わが学会の正式発足は1965年と少し後になりますが、それに先立ち1952年には九州大学にわが国最初の比較教育学講座が創設され、次いで1955年には比較教育文化研究施設が創られました。九州大学は比較教育学という学問のインフラ整備という点で、まさしくわが国おいて先駆けとなった大学です。爾来、綺羅星のごとき泰斗により比較教育学研究が展開されてきました。そうした輝かしい伝統と実績を誇る九州大学で大会が開催できたことは、おそらく私を含めて、会員各位の大きな喜びであったろうと思います。

さて、昨年の総会において、本当に思いがけず二期目の会長職を拝命してから1年が経ちました。この1年の間、あの折りにお約束しました比較教育学事典の早期刊行のために、さまざま努力して参りました。校正段階に入ってからも、細部にわたる点検や索引の作成など意外に時間のかかる仕事が次々とあり、一日も早くお目にかけたいという思いをよそに時間ばかりがいたずらに過ぎ、遅くなってしまいました。しかし、運良く大会開催時にご披露できる運びとなりました。本事典編纂に関わられた全ての方々とともにお祝いしたいと存じます。

次に、この1年間に取り組んだこととして学会としての管理運営方法の改革があります。昨年の総会での承認を受けて、学会業務の一部の外部委託に踏み出しました。初年度のことであり、委託業者との間の理解の齟齬をはじめ、思いがけない問題点も浮上したりして、よじれた糸をほぐすように、それらを一つずつ解決しつつ進めてきました。この方式のルーティン化を目指してさらに鋭意努力中であります。これから延々と続いていくであろうわが学会の事務体制の整備に引き続き努めたいと思います。

第三に、一期目以来重点を置いてきた近隣諸学会との交流強化があります。大会開催の少し前には、香港比較教育学会との間で紀要の相互交換をはじめとする交流推進の覚書を取り交わしました。中国、豪州・ニュージーランド、台湾、韓国に次ぐ、近隣学会との4番目の交流協定です。香港の学会は小規模ながら優れた研究成果をあげている学会であり、今後交流を深めることは、わが学会にとって必ずや裨益するものと確信しております。

以上、昨年来実現したいくつかの具体的成果をご報告するとともに、今後いっそうの努力を続けることをお約束しまして、ご挨拶といたします。

2012年8月1日

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