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会長就任にあたって

服部美奈

日本比較教育学会 会長 服部 美奈

このたび第17代の日本比較教育学会会長を拝命いたしました服部美奈です。会員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。これから3年間、名古屋大学に学会事務局を置かせていただきます。名古屋大学に事務局が置かれますのは、馬越徹先生が第12代会長をおつとめになられました2001年度〜2004年度以来となります。

去る6月17日〜18日、24日〜25日に上智大学で開催されました日本比較教育学会第59回大会におきまして会長職をお引き受けしてから、時間を経るにつれてますます責任の重みを感じております。これまで会長をつとめられた先生方の偉大なご功績を考えると、ふと足がすくむような感覚を覚えます。しかしながら、背中を押してくださった皆様の期待を真摯に受けとめ、これまで学会が積み上げてきた知の遺産を継承し、自らも一から学び直しながら学会の発展に微力を尽くしたいと思っております。会員の皆様のご指導・ご鞭撻を心よりお願い申し上げます。

学会運営ではまず、するべきこと、考えるべきことを一つ一つ地道に進めたいと思っております。そして、できる限り多くの会員の皆様に学会活動に参画していただき、新しい時代の流れを敏感に受けとめつつ、よき伝統も引き継ぎながら共に楽しく温かい学会を作っていきたいと思っております。

日本比較教育学会は、2025年3月末に創設60年を迎えます。世界の高等教育が、いわゆる「世界標準」で測られるようになってから、知のあり方、特に人文社会科学のあり方がこれまで予期しなかった思わぬ方面から問いただされ、これまでの学問のあり方に対して「反省」させられることが多くなっているように思います。しかしながら私は、比較教育学とそれを担ってこられた先生方に育てられ、世界の多様性を知り、自分の無知を知ることで、一人の研究者としてだけではなく、一人の人間として成長させていただく糧をいただいてきました。それはきっと私だけではないと思います。

学問の行く末が厳しい岐路に立たされるなかで、誰が私たちの知と経験を必要とし、また逆に私たちは誰に発信すべきかを改めて考えつつ、比較教育学という学問領域がもつ意義と奥深さを伝えていきたいと思っております。この不安定で脆弱な世界を力強く生きていくための糧となるような学問であり続けるために、責任を持って会長としての職責を果たしたいと思います。受け継いだ大切な絆をできるだけよい形でのちの世代につなげられるように誠意を尽くしたいと思いますので、会員の皆様におかれましてはこれから3年間、共に歩んでくださいますよう、心からお願い申し上げます。

幸い今は、長く暗いトンネルのなかに閉じ込められてしまったかのようなコロナ禍がようやく開けつつあり、それにともない再び活動が活発になってきています。学会開催も対面が戻り、足止めされていた海外調査も再開されるようになりました。大変な時代ですが、この時代を明るく生き抜くために、コロナ禍で得た多くの教訓と気づきを生かしつつ、時代の流れを敏感に捉えた学会運営ができればと考えております。何卒よろしくお願いいたします。

2023年

過去の会長あいさつ

会長就任にあたって (2008年7月27日)
御挨拶 (2009年7月2日)
会長再任に当たって (2011年8月1日)
会長挨拶 (2012年8月1日)
会長就任にあたって (2014年)
会長就任にあたって (2017年)

歴代会長

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