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会長就任にあたって

杉本 均

日本比較教育学会 会長 杉村 美紀

このたび第16代の日本比較教育学会会長を拝命いたしました杉村美紀と申します。会長に就任させていただくにあたりましては、数多の会員のご活躍を考えれば考えるほど我が身の未熟さを顧みることとなり、様々な思いが胸をよぎりました。しかしながら、1985年に学会に入会させていただき、これまで比較教育学会に育てていただいた御恩に少しだけでもお返しができるようにと思い、本当に微力ではございますが、精いっぱい務めさせていただければと考えた次第です。歴代の会長の先生方のご偉業の数々は、どれも浅学の身としてはとても届かないものばかりですが、学会の発展に少しでも寄与できますよう、一歩一歩進んで行きたいと思っております。

日本比較教育学会は1965年の学会発足時から50年余りの歴史を重ね、今日では約1000名の会員を擁する学術研究団体に成長しました。教育学の分野には、実に多くの様々な専門学会がありますが、そのなかにあって日本比較教育学会は、比較研究という方法論をひとつの土台におきながら、研究対象とする地域性や研究内容の多様性という点では、まさに教育学関連の学会相互のつながりを果たす機能を有している学会であると考えます。また、研究方法論を支えるディシプリンにおいても、様々な価値体系や意味体系が交錯する分野であり、それゆえに実に多様なフィールドが目の前に拡がっています。ここ最近の比較教育学会の大会では、こうした多様性をもつ学会の特性がいかんなく発揮され、いろいろな教育研究が展開されています。なかでも、比較教育学会がぜひ大切にすべきであると考えるのは、教育学がもつ規範と実践の両面を常に多角的に吟味すること、ならびに教育という複雑な事象を読み解くにあたり、時に他の学会や研究分野の成果とも協働しながら、教育が持つ様々な可能性を発掘していくことではないかと考えます。

こうした豊かな研究の土壌を育むにあたっては、これまでも多くの会員のご尽力があったわけですが、今般、事務局をお預かりする立場として、より実り多い研究交流を可能にする温かな雰囲気と人のつながりを大切にした学会運営を心がけたいと思っております。また、学会の研究活動や成果を積極的に国内外に発信していくことで、新たな交流ネットワークを拡充することにも挑戦していきたいと考えております。幸い、杉本均第15代会長の時に着手された50周年を記念する一連の事業や学会紀要掲載論文の英訳と交流事業は、いずれも学会の研究成果を様々なかたちで国内外に発信し新たな連携を築くものであり、2017年度〜2019年度の今期においては、これら事業の遂行をバックアップしていきたいと思います。また学会には様々な立場の方が参加してくださっていることに鑑み、今後もより多くの方が参加しやすい制度づくりを心がけたいと考えております。

いずれの取り組みも、会員並びに比較教育学にご関心をお持ちくださっている皆様のご理解とご協力無しには為し得ないものであり、皆様からの忌憚のないご指導を賜りながら、微力ながら精一杯務めてまいりたいと思っておりますので、なにとぞどうぞよろしくお願い申し上げます。

2017年

過去の会長あいさつ

会長就任にあたって (2008年7月27日)
御挨拶 (2009年7月2日)
会長再任に当たって (2011年8月1日)
会長挨拶 (2012年8月1日)
会長就任にあたって (2014年)

歴代会長

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